Date: | 03/22/2018 |
Categories: |
研究用にのみ使用できます。診断目的での使用はできません。
回答
MRMHRデータを解析する場合、MultiQuant™ 3.0.1 software with Hotfix 2 以降の「Sum Multiple Ions」機能を使用して、プリカーサーイオンの同位体イオンや価数違いのイオンを合計したり、MSMSの複数のフラグメントイオンを合計して算出することができます(下記の例参照)。:
上記の例では、行を右クリックし、「Sum Multiple Ions」にチェックを入れて、二つのイオン626.4と608.2を合計しています。
「Sum Multiple Ions」の結果が、Result Tableに追加されます。次に、ピーク面積値をExcelで計算したものと比較しました。
Excelを用いて二つのイオンのXICピーク面積の合計値を計算したところ、得られた合計は「Sum Multiple Ions」を用いて算出されたピーク面積値と一致しませんでした。その理由を次に示します。:
1) 異なる保持時間のピーク面積を比較した為、ピーク面積値を正しく計算できていません。二番目のイオン(Res 2)の保持時間を4.8分として手動で選択できますが、三番目のイオン(Res 3)の保持時間は、はじめにRes1とRes2の保持時間が異なっていた為、わずかに異なります。従って、Res1とRes2のピーク面積の合計は、それらが同じ保持時間を持つ場合にのみ正しくなります。
2) 使用されるアルゴリズムは、「Sum Multiple Peaks」ではなく「Sum Multiple Ions」と呼ばれます。つまり、個々のイオントランジションの各時点の装置のレスポンス(強度)が合計され、その合計された装置のレスポンスから全く新しいピークが作成されます。次に、ユーザが定義するまたはデフォルトの積分パラメータを使用して、この新しいピークを検出して積分します。MultiQuantソフトウェアでは、保持時間の異なるピークのピークエリアを一緒に合計することはしません。結果を比較するには、全てのピークが同じ保持時間である必要があります。「Sum Multiple Ions」のアルゴリズム(Summing Logic)の性質に基づくと、同じ保持時間のピークであっても、新しいピークではS/N(signal-to-noise)が異なる可能性があり、ピークのstart/stopは個々のマストランジションと異なる可能性がもあります。そのため、ピーク面積の積分が異なる可能性があります。その結果、ピーク面積は個々のピークのピーク面積の合計と一致しません。
Posted: now