Date: | 11/02/2018 |
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研究用にのみ使用できます。診断目的での使用はできません。
回答
ProteinPilot™ソフトウェアで検索条件を設定する際、「Search Effort]」セクションで「Rapid ID」検索または「Thorough ID」検索のどちらかを選択します。この設定により、アルゴリズムのどの部分を呼び出すか、またより正しい答えを見つけるためにサンプルを効果的にどれだけ深く検索するかが決まります。
「Rapid」検索を選択すると、Fraglet検索が実行されます。このタイプの検索は、多くの検索エンジンと同様に、フラグメントイオンスペクトルをデータベース内の一致する可能性のある候補と照合させてスコアー付けします(プレカーサーの質量に基づいてあらかじめ選択し照合)。
「Thorough」検索を選択すると、Fraglet検索とTaglet検索の両方が実行されます。このタイプの検索は今までにない手法で、プロテオームのより豊富な定義付けと、はるかに深い検索の実行を可能にします。
注:酵素を選択しない場合は、Taglet検索のみが実行されます。Paragon™ Algorithmを詳細に知りたい場合は、このビデオをご覧ください。
ペプチドの同定が終わったら、Pro Group™ algorithmアルゴリズムが検出されたタンパク質の最小限のリストに結果をまとめます。
「Search Effort」の選択で、消化の定義や翻訳後修飾などに関する検索の仕方も変わります。「Rapid」モードでは、Paragon Algorithmは、他の検索エンジンと同様にプロテアーゼのシンプルな標準的定義を使用します。トリプシンはLysとArgを切断しますが、他では切断しない(左側の図)という設定です。ここでは、最大2箇所までのMissed Cleavageを許容します。
「Thorough」モードでは、Paragon Algorithmは、特定のプロテアーゼが何をするかをより詳細に記述したfeature probability setsを使用します。トリプシンの例では、トリプシンはLysとArgで切断する可能性が高いですが、他の残基でも非常に低い頻度でsemi-trypticな切断が起こることもわかっています。これらを経験的に導き出した確率を使って記述しています。「Thorough」では、最大5箇所までのMissed Cleavageとsemi-trypticな切断を許容します(右側の図)。
同じアプローチを翻訳後修飾(PTMs)解析にも用いています。「Thorough」検索を選んだ場合は、サンプルに関してより洗練された、生物学的に適切な見解で検索します。「Rapid」検索を実行する時にどのPTMが検索されるかを確認するには、「Help」フォルダーの「Unified Modification Catalog.xlsx」の「Modification Catalog Table 」タブ、V列にある「Standard workup mod set」を参照してください。ProteinPilotソフトウェア5.0では、「Rapid」を選択すると63個のPTMを検索します。「Biological Modification」にチェックを入れ「Thorough」を選択する標準的な探索では、非常に大きな一連のModificationのセットが呼び出されます(W列の「Standard biological mod set」を参照してください。337の修飾が追加されています。)。Taglet検索をFeature probabilitiesと組み合わせて使用することで、検索時間や擬陽性率(False Discovery Rates)への影響を最小限に抑えながら、この非常に膨大なPTMのセットを検索します。使用されるFeature probabilityは、Mod Catalogのこれらの列に表示されている数値です。
Paragon Algorithmの詳細は、https://sciex.com/x59785を参照ください。: Mol. Cell. Proteomics, 6: 1638-1655, (2007).
ProteinPilot™ Software Overview - High Quality, In-Depth Protein Identification and Protein Expression Analysis.
注:青字には、Sciex Communityの「Proteomics」および「ProteinPilot」のビデオへのリンクが含まれています。
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